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藤井聡太二冠、“ラスボス”豊島竜王を撃破「強い相手は楽しい」7度目対戦で初白星 - サンケイスポーツ

公開対局で観客が見守る中、ついに豊島竜王(左)から初白星を挙げた藤井二冠=名古屋市 (代表撮影)

公開対局で観客が見守る中、ついに豊島竜王(左)から初白星を挙げた藤井二冠=名古屋市 (代表撮影)【拡大】

 第14回朝日杯オープン戦本戦トーナメント(17日、名古屋国際会議場)将棋の高校生タイトルホルダー、藤井聡太二冠(18)=棋聖、王位=が、準々決勝で豊島将之竜王(30)=叡王=に94手で勝利。公式戦6戦全敗だった苦手な相手から“7度目の正直”で初勝利をもぎ取った。これで同大会は4年連続4強。2018年に一般棋戦優勝の最年少記録(15歳6カ月)を達成するなど相性のいい大会で、2年ぶり3度目の優勝を狙う。

 ついに“ラスボス”を倒した。

 豊島竜王が頭を下げて投了を告げると、公開対局を観戦した将棋ファンの拍手が沸き起こった。

 「過去、豊島竜王には公式戦で勝てていなかったですが、強い相手と対局できるのは楽しいことなので、過去の成績というのは忘れて一生懸命指そうと思っていました」

 この日午前の1回戦で、大石直嗣七段(31)に安定した指し回しで勝利。午後の準々決勝で強敵との対局を心待ちにしていた。

 2018年に最年少一般棋戦優勝記録、19年には同連覇記録を更新した相性のいい朝日杯。しかも地元・愛知(瀬戸市出身)での対局。後手の藤井二冠は序盤から積極的に攻めた。

 持ち時間各40分の早指し勝負。戦型は両者得意の角換わり。藤井二冠は銀を3七~4六で使う「早繰り銀」の秘策を繰り出し、豊島竜王の意表を突いた。

 「持ち時間が短い将棋なので積極的に攻めていく展開にできればと思っていました」

 それでも形勢は二転三転。持ち時間を使い切り、1分将棋となってもハイレベルな将棋が続いた。だが、若き天才が限られた時間の中で、ひらめきを見せる。最終盤に指した△8六歩。ここから一気に寄せ、豊島竜王を投了へと追い込んだ。

 6戦全敗-。数々の記録を塗り替え、驚異的な強さを見せる藤井二冠が、数回対局のある棋士の中で唯一勝てていない相手が同郷の豊島竜王(一宮市出身)だった。6度目の対局となった昨年10月の第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦では、ほぼ勝利を手中に収めながらも、終盤のミスで大逆転負け。“7度目の正直”で、ついに初白星を挙げた。

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